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港南台かもめ団地&MUJI×URー若い世代から広げるコミュニティづくりー:(第1回・前編)「#Interviews まちづくりってどんな人が携わる?」

私たちUR都市機構(以下UR)では、都市再生や賃貸住宅の展開、そして災害復興を主な事業の柱として展開しています。その中の賃貸住宅事業は、2012年からMUJI HOUSEとコラボレーションし、「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」をスタートしました。

建設から時を経た団地をリノベーションすることで、多様な世代の方々に住んでいただくこのプロジェクトが好評となり、2021年には団地住戸だけでなく団地外観、屋外広場、商店街区といった共用空間もリノベーションの対象とする「MUJI×UR団地まるごとリノベーションプロジェクト」を発足。今回新たに、神奈川県横浜市にある港南台かもめ団地を舞台に、私たちURとMUJI HOUSE、地域にお住まいの方々が一緒になって地域コミュニティの形成に取り組む画期的なプロジェクトを進めています。

そのスタートアップイベントを、2023年2月4日(土)に開催し、MUJI×URの住戸などをめぐるスタンプラリーなど様々なイベントを行いました。パネルディスカッションも二部構成で開催し、第一部では「港南台かもめ団地集会所を核とした港南台地域コミュニティのこれから」と題し、MUJI HOUSEに加えて、港南区とMUJIブランドを展開している良品計画からパネリストをお招きして港南台地域、港南台かもめ団地に対する各々のこれまでの地域活動等の紹介と、港南台かもめ団地における MUJI×UR の取り組みについて話しました。また、第二部では「港南台かもめ団地MUJI×UR 団地まるごとリノベーションについて」と題し、改修する住戸や集会所などについて説明し、MUJI HOUSEとUR、そしてご参加の皆さまとディスカッションを行いました。

2023年2月4日(土)に港南台にて開催された、「MUJI×UR 団地まるごとリノベーションプロジェクト」のイベントにて

港南台かもめ団地のプロジェクトについてみなさまによりよく知っていただくために、担当者のインタビューを含めて詳しくご紹介したいと思います。

お住まいの方を含めたみんなでつくる「かもめプロジェクト」を発足

2023年2月4日(土)に開催された「かもめマルシェ」

団地まるごとリノベーションの特徴は、住戸だけでなく、そこにお住まいの多様な世代の方々がいきいきと暮らせるように、団地の屋外環境やお住まいの方同士のコミュニティ作りまでにも取り組んでいることです。そのためには地域にお住まいの皆さんや団地自治会、地域関係者の方も含め、一丸となってまちづくりに参加してもらうことが大事だと考えており、港南台かもめ団地の今後をみんなで考える場である「かもめプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトに参加する人たちを「かもメイト」と呼び、月1回団地の集会所に集まり、団地や地域がよくなるためにどうしたらいいのか、何があったらいいのかを一緒に考える「かもめ会議」を開催しています。

集会所・屋外空間を活用したイベントである「かもめマルシェ」

2023年2月4日(土)にスタートアップイベントの一部として開催された「かもめマルシェ」の様子

このかもめプロジェクトを活性化させ、団地のコミュニティを広げていくためには、団地の人びとにもっとこのプロジェクトを知ってもらい、参加者を増やしていくことが重要です。そのため、かもめプロジェクトの一環として2カ月に1度の頻度で「かもめマルシェ」というイベントも開催しています。集会所や団地の屋外空間を使って無印良品の出張販売や各種ワークショップイベントなどを実施しています。

例えば、無印良品のジュートマイバッグにかもめのイラストをシルクスクリーンでプリントしてオリジナルバッグを作ったり、季節に合わせた果実酒作りやおいしい珈琲についての勉強会をしたり、どの世代の人が参加しても有意義で楽しいイベントになるように毎回テーマを考えて行っています。そのかいあって、老若男女問わず毎回色々な方にご参加いただき、コミュニティの輪も広がってきています。

2023年2月4日(土)に開催された「かもめマルシェ」にやってきたキッチンカー

多世代の「あったらいいな」をつめ込んだ新しい集会所へ

2023年2月4日(土)に開催された、「港南台かもめ団地MUJI×UR 団地まるごとリノベーションについて」のパネルディスカッションの様子

団地のコミュニティを育てていくには、地域にお住まいの方々が集まるこの集会所こそがコミュニティ形成の大事な役割を担っていると考えています。そのため私たちは、この集会所や周辺の屋外環境の整備を通して、多様な世代の人たちが集まる地域コミュニティを育んでいければと思い、お住まいの方々の意見を聞きながら集会所改修案をまとめました。

新しい集会所の完成イメージ

老若男女、多世代の人が利用したいと思うオープンな集会所を目指して、靴を履いた まま集会所の中に入れるようにし、共用部分には机や椅子を設置することでフリースペース的な使い方ができるよう設計を考えています。緑豊かな屋外に面した集会室にはみんなで食事を作ることが楽しめるシェアキッチンの設置を考案中です。

今回の港南台かもめ団地のプロジェクトは、私たちURとMUJI HOUSEに加え、地域にお住まいの方々の協力をいただきながら進めています。私たちプロジェクトを推進する側としては、新しい試みということもあり、難しい課題が出現する一方で、新たな発見ややりがいも感じられる日々です!次回は、このかもめプロジェクトに参加するURとMUJI HOUSEの担当者に、この団地まるごとリノベーションプロジェクトにかける思いを聞いていきたいと思います。

取材・執筆:日暮まり
写真:近藤俊哉
編集:福津くるみ

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